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電子工作 -ほのかに光るLED 後編-

更新日:2019年2月28日


電子工作 ほのかに光る LED


こんにちは、ラスパンディジャパンのエンジニアです。


今日は「ほのかに光るLED-前編-」の続きです。前回のエンジニアブログでは、LEDを単に光らせるだけではく、デザインに対するLEDの工夫をご説明するため、間接照明のために作られたデバイスの紹介をしました。


このデバイスの特徴は、点ではなく面で、大きく・柔らかく光るLEDがあることです。このようなLEDはどう作り出せばよいでしょうか。大きくぼんやり光るということは、点でなく面で光らせるということになります。そして、面で光るとはその表面で光が拡散しているということです。そうした光を実現するには、何もしなければ点として光るLEDの光を何段階もの過程を経て拡散させる必要があります。今回は4つの仕組みでこれを実現させています。


1.まず、LEDに拡散ドームをかぶせます。これはLEDをぼんやり見せるための部品です。

2.つづいて、透明なレンズの片側を紙ヤスリで削り乳白色に曇らせておきます。

3.もう片側にコピー用紙の切れ端を張り付けます。

4.LEDの光が十分広がるようレンズとLEDの距離を少し開けます。


これら1〜4の過程を経て面全体が光るようになり、やわらかな雰囲気を作り出すことができました。

(これらの過程は試行錯誤の結果です。一つだけでうまくいくかもしれませんし、別の方法を試す必要があるかもしれません。手元にはたくさんの失敗の残骸が転がっています。ですので、この方法だけにとらわれる必要はありません。)



ところで、LEDを使いながらも面を光らせる技術は、パソコンのモニターや液晶テレビの画面を光らせる技術で使われています。もっとも、それらにはコピー用紙や紙ヤスリを使うわけはなく、光を拡散する専用の光学シートなど、きちんとした設計がされています。

なお、LED以外にも有機ELのように直接面が光る技術もありますので、そういったものを採用する方法もあります。ですが、これらはデザインやUI・UXの実現性以外にも、部品の入手性や購入費用にも影響するものなので、それらを考慮した上での使い分けが必要になります。


実はこの光、使用するLEDのグリーンの色合いについても注意深く選んでいて、ドミナント波長:505nm というあまり見かけない色を使っています。

一般的にあるLEDは蛍光色に似た色ですが、このデバイスの完成イメージである「木の温かみとインテリアにマッチするようなデザイン」に対して、緑の色が濃すぎるように思えました。もっと柔らかな淡い緑を探し、このLEDを見つけたわけです。



単にLEDを光らせるだけでも、こだわりを持って作りこむと奥の深い内容になります。また、今回はただ光らせることの紹介でしたが、通常動作中、機能動作中(タイマーによる自動消灯など)、エラー発生、などユーザーにうまく通知しコミュニケーションを図るための工夫も必要です。


その上、今回のデバイスは間接照明をコントロールするデバイスですから、動作中はあまり光らず使う人のリラックスタイムを邪魔しないことが重要です。そうした配慮をすべて詰め込んで初めてLEDとしての役割が完成します。(これらの話題はまた次の機会にしたいと思います)



みなさんが自分のデバイスを作られる際は、使う人にとって最高に使いやすくなるよう、LEDの光らせ方にも気を配ってみてはいかがでしょうか。テクノロジーっておもしろいですね!






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